伝わるデザイン

トップページ 伝えるとは 読みやすく 見やすく 見栄えよく 実践
伝えるとは

 

 

色覚異常の方は、日本人男性では20人に1人、女性では、500人に1人程度といわれており、100人程度の聴衆がいれば、必ずといっていいほど色覚異常の方が含まれる計算になります。一方で、印刷技術の向上や液晶プロジェクターの性能の向上のため、プレゼンテーションに使用される色が多彩かつ繊細になり、微妙な色の違いによって情報を理解しなければならない機会が増えています。しかし、当然ながらこのような「色のみに頼ったプレゼンテーション」は、誰にでも優しい「ユニバーサルデザイン」ではありません。情報をより多くの人に正確に伝えるためには、色覚バリアフリー化が求められます。

色覚バリアフリー化には大きく2つの方法があると思います。一つは「色覚異常の方に配慮した配色をする」こと、もう一つは「色のみに頼らないデザイン、レイアウトをする」ことです。以下にいくつかの例を挙げ、具体的に説明していきます。なお、色覚バリアフリー化には、ここでは説明していない多くの方法があるので、より詳細な情報は、専門の書籍やウェブサイトをご覧ください。

例えばこのページhttp://www.vischeck.com/vischeck/vischeckImage.php)では、自分の制作したスライドやポスターが色覚異常の方にどのように見えるのかをチェックすることができます。なお、チェックに際し、画像化したスライドやポスターを準備する必要があります。

 

 

 

配色のときに気をつけること

色覚に障害がある場合、暖色同士や寒色同士を区別しづらくなります。すなわち、「赤と緑」「紫と青」「オレンジと黄緑」などが同じような色に見えてしまいます。より一般的に言えば、下の図の場合、縦方向の組み合わせは、健常な場合には区別しやすくても、障害のある方は区別しづらいのです。ちなみに、下の図は、障害のある場合の見え方をシミュレーションしたものです。

見え方

色の違いを利用してスライドやポスターをわかりやすくしたいならば、大きく2つのことに気をつける必要があります。「暖色系同士、あるいは寒色系同士を組み合わせないこと」と、「明度の似た色を組み合わせないこと」です。

 

上の例では、明度の似た暖色同士、あるいは明度の似た寒色同士が組み合わせてあります。このような組み合わせは、健常な色覚では区別しやすくとも、障害のある色覚には非常に見分けにくくなります。

 

上の2つの例では、暖色系と寒色系の色を組み合わせています。このページの上部の図で言えば、横方向の色を組み合わせています。これなら、たとえ明度に差がなくても、隣り合った2つのいろを区別することができます。

 

たとえ、暖色系同士や寒色系同士を組み合わせたとしても、2つの色の明度が異なっていれば比較的区別しやすくなります。これは、明るい青と暗い青が区別できるのと同じ原理です。

 

実際には、暖色系と寒色系を組み合わせつつ、2つの色の明度を変えるのが良いかもしれません。明度を変えずに、暖色と寒色を組み合わせると、グレースケールで印刷した場合に、色の区別ができなくなります。明度も変えてあれば、スクリーン上でもグレースケールでの印刷上でも2つの色を区別できるようになります。 また、色相と明度の両方を変えることで3つ以上の色を組み合わせることも可能になります。

 

 

グラフの作成のときに気をつけること

色を使いながらも、「色だけに頼らないようにする」ことで色覚バリアフリー化が可能です。下の例を見てください。色覚異常の方には、緑と赤は区別しづらいので、このようなグラフでは折れ線と凡例を対応させることができません。右のように「凡例をなくして折れ線の近くに項目名を書き込んだり」、「折れ線のマーカーを変えたり(●と○)」することで、色に頼らなくても理解できるようになります。他にも「マーカーの形を変えたり(○△□など)」、「線自体に差をつけたり(点線や太線)」することで、区別が可能になります。もちろん、同時に配色にも配慮することでよりユニバーサルなデザインになります。

 

グラフの近くに項目名を書くことが難しい状況もあります。下の例のように棒グラフの場合は、やむなく凡例を付けなければいけません。このようなときは、「塗りのパターンを変える」という方法があります。たとえ区別しづらい色であっても、塗りのパターンが違うと、どんな方にも区別ができます。先述のような配色面での色覚バリアフリー化に加え、「色だけに頼らない工夫」をすることで、よりいっそう人に優しいデザインになります。

 

 

背景と文字の明度にコントラストをつける

繰り返しになりますが、色覚バリアフリーの観点からも、背景と文字の色にはコントラストを付ける必要があります。必要がない限り、背景には色をつけず(白)、文字はできるだけ濃い色を使いましょう。もちろん、黒い背景に白い文字でもよいと思います。

 

 

 

inserted by FC2 system